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大規模関税、米製造業の回復を脅かす可能性
関税で製造業は戻らない。むしろ、未来の技術革新の芽を摘みかねない。 トランプ氏は「関税をかければ工場と雇用がアメリカに戻ってくる」と主張しています。 一見、アメリカの産業を守る愛国的な政策のように見えますが、それほど単純な話ではありません。 そもそも、現代の製造業はグローバルなサプライチェーンで成り立っています。つまり、一つの製品を作るのに、部品や材料が世界中から集められているのです。そんな中で突然、高い関税をかけると、材料のコストが上がり、かえってアメリカの製造業の足を引っ張ってしまう可能性があります。 実際に、関税の影響で製造業のコストが上昇し、企業の投資意欲が冷え込んでいるというデータも出ています。工場の新設がストップしたり、新しい雇用が生まれなくなったりしているのです。 ここで重要なのは「不確実性」です。関税の内容がころころ変わると、企業は先の見通しを立てられず、大きな投資ができません。これが製造業再生の大きな障害になっているわけです。 では、関税はまったく意味がないのでしょうか? 戦略的に限定的に使えば効果がある場面もあります。たとえ

Takumi Zamami
2025年4月30日読了時間: 2分


ようこそ、ロボットの街・オーデンセへ
みなさんはデンマークにあるオーデンセという町をご存じでしょうか。 今回は、協働ロボットで注目を集めるデンマークの小都市・オーデンセについてお話ししたいと思います。 この街は、11世紀に最後のヴァイキング王が命を落とした場所であり、また童話作家アンデルセンの故郷として有名です。しかし最近では、別の顔を持つ街として世界の注目を集めています。それは、ロボットの街という顔です。 人口約21万人のオーデンセには、現在150を超えるロボット企業が集まっています。特に有名なのが、人と一緒に働くことができる「協働ロボット」(コボット)です。このロボット産業は街の誇りとなっているそうです。 では、なぜ、歴史と文化の街がロボット都市になったのでしょうか? 実は、オーデンセのロボット産業の原点は、かつて盛んだった造船業にあります。 1980年代、この街のリン島造船所は、アジアとの競争に苦しんでいました。そこで南デンマーク大学と協力し、ロボットを使って造船の効率化を図ったのです。その結果、「ユニバーサルロボット」という、世界的に成功したロボット企業が誕生しました。この会

Takumi Zamami
2025年3月18日読了時間: 2分


風力活用の船舶開発における脱炭素化への道すじ
風力は十分に活用されていない資源であり、環境負荷の高い海運業界をよりクリーンな未来へ導く可能性を秘めています。 みなさんは船舶輸送の温室効果ガス排出量が世界全体の約3%を占めることをご存じでしょうか。このまま成長が続けば、2050年までに10%に達するともいわれています。そんななか、小さな国の取り組みが注目を集めています。 太平洋に浮かぶマーシャル諸島では、古くから伝わるカヌー文化を活用しつつ、最新技術も取り入れた「風力」を使った船舶の開発が進められています。 マーシャル諸島の人々は、長い間カヌーで移動してきましたが、いまではディーゼル燃料を使う大型貨物船に大きく依存しています。しかし、海面上昇や異常気象に悩まされるなか、“自国の船を完全に脱炭素化しよう”という強い意志が生まれました。 地元のカヌー組織を率いるアルソン・ケレンさんは、若者に伝統的なカヌーを教え、さらに太陽光発電パネルを備えた大型の帆船もつくるなど、多彩な取り組みを進めています。その成果の一つが、2024年に処女航海を果たした「Juren Ae」という新たな貨物帆船で、最大80%の

Takumi Zamami
2025年2月18日読了時間: 2分


大規模なバッテリー火災はエネルギー貯蔵の未来に何を意味するのか
モスランディング発電所で起きた火災が、バッテリー安全性への懸念を高めています。 2025年1月、アメリカ・カリフォルニア州にある世界最大規模のバッテリー群を備えた「モスランディング火力発電所」で火災が発生しました。火災は数週間前に発生し、消火は数日で完了しましたが、周辺地域には健康面や環境面での懸念がまだくすぶっているようです。 バッテリー火災に対する不安は、モスランディングのような大規模施設での事件が報じられるたびに高まります。しかし一方で、太陽光や風力など再生可能エネルギーの割合が増えていくなか、エネルギーを安定的に供給するために「大容量の蓄電システム」は不可欠となってきています。つまり、安全面と必要性のバランスをどのようにとるかが大きな課題なのです。 今回の火災が起きたのは1月16日午後のことで、当初は小規模だった火があっという間に大規模に拡大しました。住民1,000人以上が避難し、周辺道路が閉鎖されるほどの騒ぎでした。原因はまだはっきりしていませんが、2020年に稼働を始めた最初期の300メガワット級バッテリーが主に被害を受けたようです。

Takumi Zamami
2025年2月18日読了時間: 3分


中国AIベンチャー、米国の制裁を逆手に取った技術革新
公式サイトより 今回ご紹介したいのは、中国の新興AI企業「DeepSeek」が開発したオープンソースの推論モデル「DeepSeek R1」です。OpenAIのChatGPT o1と比較しても、複数のベンチマーク(性能指標)で同等以上の結果を出しながら、コストを大幅に抑えているということで注目を集めています。 実は、中国のAI企業はアメリカの半導体輸出規制の影響を大きく受けています。先端的なGPU(高性能半導体)が手に入りにくい状況ですが、DeepSeekのようなスタートアップは効率化や協力体制を強化し、むしろ性能を高める努力を続けているのです。 具体的には、NVIDIAが中国向けに性能を制限したGPUを使用しながらも、独自の最適化を施し、メモリの使い方や計算処理を工夫して大規模モデル「R1」を完成させました。数学的・論理的な問題を解く際には、“チェーン・オブ・ソート”(段階的に論理展開を行う手法)を用い、高度な推論を可能にしているのが特徴です。 さらにR1は、“シンプルな設計”であることが高く評価されています。Microsoftの研究者によると、

Takumi Zamami
2025年2月18日読了時間: 3分


マーク・ザッカーバーグとメディアの力
マーク・ザッカーバーグは今年1月7日に、「More Speech and Fewer Mistakes」というタイトルでブログと動画を公開した。彼は、「I started building social media to give people a voice(私は人々に声を与えるためにソーシャルメディアをつくった)」と語り、アメリカにおけるMetaの事実確認システムの終了、「発言の制限」の撤廃について述べるとともに、今後はよりパーソナライズされた政治的なコンテンツをフィードに表示させる方針にあると発表したのである。 しかし、事実確認の終了に関して注目が集まる一方、憎悪表現に対するポリシー変更にも重要な点があった。Metaは今後、トランスジェンダーの人々を「it」と呼ぶことや、女性を財産扱いすること、同性愛を精神疾患だと主張することを許容する方針を打ち出したのである。この変化は、特にLGBTQ従業員から強い反発を受けた。また、より個別化された政治的コンテンツの表示が強調され、これにより政治的な極端化が再燃することも懸念されている。...

Takumi Zamami
2025年1月14日読了時間: 3分


【2025年版】10の画期的なテクノロジー
MIT Technology Reviewが、今後数十年に渡り私たちの世界に大きな影響を与えると予想する、10の画期的なテクノロジーの2025年版。 ヴェラ・C・ルービン天文台 今年、チリの人里離れた地域に新しい強力な望遠鏡が稼働を開始します。この望遠鏡は、南半球の空を10年間にわたって調査する予定で、内部には天文学史上最大のデジタルカメラが搭載されており、これが数年間にわたって絶え間なく写真を撮影します。それら調査は、ダークマター(暗黒物質)の研究、銀河系である天の川の探査、さらには宇宙のその他の謎の解明を目的としています。 生成型AI検索 生成型検索は、求めている情報を簡単かつ迅速に見つけることを可能にします。例えば、検索したい内容を入力すると、AIモデルがインターネット上のさまざまな情報源から要点をまとめ、独自の答えを返してくれます。さらに、個々のデバイス上では、文書や写真、動画を調べ、物体や人物を認識して、目的の情報をより速く見つける手助けをしてくれます。この技術が普及すれば、従来の検索エンジンは役目を終え、個人AIアシスタントの時代が到

Takumi Zamami
2025年1月14日読了時間: 4分


2025年にAIが直面する5つのトレンド
すでにエージェントや小規模言語モデルが次の大きなトレンドであることはみなさまご存知の通り。今年注目すべき他の5つのホットなAIトレンドについてお伝えします。 1. 生成的仮想空間:ゲームやロボット訓練のための動的3Dシミュレーションが急成長。 2023年は「生成画像」、2024年は「生成動画」の年でした。では次は? それは「生成仮想空間」、すなわちビデオゲームの世界です。 例えば、Google DeepMindの「Genie」というモデルは、静止画を横スクロールの2Dゲームに変換。さらに「Genie 2」は、1枚の画像から完全な仮想世界を構築できる技術です。他の企業も類似技術を開発中で、これにより新しいゲームデザインや、ロボットの「空間知能」訓練が可能になります。 2. 「推論」可能な大規模言語モデル:問題を段階的に解決する新技術でAIの精度向上。 大規模言語モデル(LLM)が「推論」できる時代がやってきました。OpenAIが2024年に発表したモデル「o1」では、問題を段階的に解決する新しい手法を採用し、より複雑な課題に対応可能にしました。さら

Takumi Zamami
2025年1月14日読了時間: 3分
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