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2025年にAIが直面する5つのトレンド

  • 執筆者の写真: Takumi Zamami
    Takumi Zamami
  • 1月14日
  • 読了時間: 3分

更新日:4 日前

すでにエージェントや小規模言語モデルが次の大きなトレンドであることはみなさまご存知の通り。今年注目すべき他の5つのホットなAIトレンドについてお伝えします。




1. 生成的仮想空間:ゲームやロボット訓練のための動的3Dシミュレーションが急成長。


2023年は「生成画像」、2024年は「生成動画」の年でした。では次は?

それは「生成仮想空間」、すなわちビデオゲームの世界です。


例えば、Google DeepMindの「Genie」というモデルは、静止画を横スクロールの2Dゲームに変換。さらに「Genie 2」は、1枚の画像から完全な仮想世界を構築できる技術です。他の企業も類似技術を開発中で、これにより新しいゲームデザインや、ロボットの「空間知能」訓練が可能になります。


2. 「推論」可能な大規模言語モデル:問題を段階的に解決する新技術でAIの精度向上。


大規模言語モデル(LLM)が「推論」できる時代がやってきました。OpenAIが2024年に発表したモデル「o1」では、問題を段階的に解決する新しい手法を採用し、より複雑な課題に対応可能にしました。さらに改良された「o3」では、この技術が大きく進化しました。


これまでのモデルは最初に思いついた回答を出す仕組みでしたが、新モデルは問題を細分化し、失敗した場合には別の方法を試みます。この「推論」と呼ばれる技術は、特に数学や物理、論理的な問題において高い正確性を発揮します。


たとえば、Google DeepMindが開発したブラウジングエージェント「Mariner」は、複雑な操作を段階的に実行し、問題を克服するデモンストレーションを行いました。同様の技術を応用した新モデル「Gemini 2.0」も開発中です。


さらに、他の多くの企業も同様の「推論」を活用した技術を開発しており、今後この分野での進展に注目が集まるでしょう。


3. 科学分野でのAI活用:材料科学やバイオロジーでの発見加速が期待される。


科学分野におけるAIの活用が大きな注目を集めています。昨年、Google DeepMindのDemis Hassabis氏とJohn M. Jumper氏が、タンパク質の構造予測ツール「AlphaFold」によってノーベル化学賞を受賞しました。AIは特に良質なデータセットがある分野で強力なツールとなり、次なるブレークスルーとして材料科学が期待されています。


MetaやHugging Faceがデータセットを提供するなど、新素材の発見や研究加速にAIが貢献する可能性があります。


4. 国防分野との結びつき:AI企業が安全保障への関与を深める動きが拡大。


AI企業が国家安全保障に関与する動きが加速しています。米軍はAIを活用したドローン計画や戦場での意思決定支援を進め、欧州も技術投資を強化しています。これにより、防衛関連企業が恩恵を受ける一方、OpenAIやGoogleなどの主流AI企業も軍事契約に関与を拡大。倫理的懸念もある中、収益性を重視した動きが進行中です。「民主主義をリードする」という名目での軍事協力の是非が問われる時代です。


5. NVIDIAの競争激化:新たなチップ開発が市場を揺るがす可能性。


NvidiaがAIチップ市場で圧倒的なリーダーシップを持つ中、2025年には競争が激化する可能性があります。AmazonやAMDなど大手企業が新しいチップ開発に投資し、特に推論用途ではNvidiaの地位が揺らぐ兆しが見えています。また、スタートアップ企業も独自のアーキテクチャで挑戦を試みています。さらに、地政学的なチップ戦争や米国のCHIPS法による国内生産促進が、この市場の動向を複雑にしています。次年度にはこれらの動きが実際にどのような影響を与えるか注目されます。


元記事はこちら↓ MIT Technology Review

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