top of page


LLMはいかにして米国の『大量監視』を加速させるのか
現代社会において、個人の行動履歴や財務状況といった断片的なデータは、データブローカーの手を通じて公然と取引されている。これまで、これらのバルクデータから特定の個人を特定し、詳細な行動をプロファイリングするには膨大なコストと熟練した分析官の手間が必要であった。しかし、大規模言語モデル(LLM)の台頭により、この「分析のコスト」という物理的な壁が崩壊しようとしている。 最新の報告によれば、LLMエージェントは高度な情報分析官が行う業務を、わずか数分かつ数十円という極めて低いコストで代行できる能力を持ち始めている。実際に、匿名化されたデータから特定の研究者を特定したり、SNSの投稿から利用者の属性や心理的特徴を推測したりといった実験結果が示されており、これは政府による大量監視が「特定の重要ターゲット」から「全市民」へと拡大する可能性を示唆している。 米国においては、政府が令状なしにデータブローカーから情報を購入できるという法的な「抜け穴」が存在し、これがAIによる監視を加速させる要因となっている。特にAnthropicと国防総省の契約決裂や、その後のO

Takumi Zamami
5月22日読了時間: 2分


Google、AIプロンプトの消費エネルギーを初公開
Google が初めて公表したレポートによると、同社の生成AI「Gemini」のテキストプロンプト1件あたりの電力消費は0.24ワット時で、家庭用電子レンジを約1秒間動かすのに相当する。この試算には、AIチップだけでなく、サーバーのCPU・メモリやバックアップ機器、冷却などデータセンター全体の消費エネルギーが含まれており、Google のチーフサイエンティスト Jeff Dean 氏は「包括的な測定を目指した」と述べている。 内訳は、AIチップ(GoogleのTPU)が全体の58%、ホストマシンのCPUとメモリが25%、バックアップ設備が10%、冷却などのオーバーヘッドが**8%を占める。また、Geminiの平均プロンプトによるCO₂排出量は0.03グラム、水使用量は0.26ミリリットル(約5滴)**と推定された。 Googleは2024年5月時点と比べて、2025年5月には1プロンプトあたりのエネルギー使用量を33分の1に削減したと報告。これはモデルやソフトウェアの効率化の成果だという。さらに同社は、太陽光・風力・地熱・原子力などクリーンエネル

Takumi Zamami
2025年11月26日読了時間: 2分


米国がmRNAワクチンに背を向ける理由
2020年、新型コロナウイルスのパンデミックが世界を覆いました。各国で学校が閉鎖され、都市はロックダウン。世界保健機関(WHO)によれば、この年だけで約300万人が命を落としました。そんな中、世界を救ったといわれるのが、mRNAワクチンです。 mRNAワクチンは、従来のワクチン開発では考えられないほど短期間で実用化されました。通常、新しい薬の開発には10年近くかかります。ところが、2020年1月に新型コロナの遺伝子配列が解読されると、わずか1年も経たないうちにファイザーやモデルナがワクチンを世に出したのです。 治験では「95%の感染予防効果」と評価され、実際に世界中で数十億回接種されました。米国政府も「Operation Warp Speed(オペレーション・ワープ・スピード)」と呼ばれる巨額の支援プログラムを立ち上げ、約180億ドルを投じて研究開発を後押ししました。結果的に、数百万単位の命が救われたと考えられています。 ところが、状況は一変します。米国の保健当局はいま、このmRNA技術から距離を置き始めています。新規の研究費は削減され、既存のプ

Takumi Zamami
2025年10月24日読了時間: 4分


LightShed:デジタルアートのAI対策を無効化するツールが開発された意図とは
AIとアートの間で続く「いたちごっこ」の話です。 生成AIは、私たちがネットに公開した画像を集めて学習し、新しい絵を生み出します。しかしその過程で、アーティストの絵が無断で使われることが問題になってきました。AIが学習してしまうと、画風を真似され、仕事を奪われるかもしれないという不安が広がっています。 こうした中で2023年に生まれたのが、Glaze(グレイズ)やNightshade(ナイトシェイド)という「毒」を仕込むツールです。アートの画像に目立たない形で細かい変更(摂動)を加え、AIが正しく学習できないようにする技術で、アーティストたちは自分の作品を守る盾として使ってきました。 ところが今回、LightShed(ライトシェッド)という新しい技術が登場し、GlazeやNightshadeが仕込んだ「毒」を取り除いてしまうことができるようになったのです。これにより、作品が再びAIの学習に使える状態に戻ってしまいます。 LightShedの研究者たちは「アーティストから作品を盗むことが目的ではない」と話しています。むしろ「こうした保護ツールは万能

Takumi Zamami
2025年8月18日読了時間: 2分


「あえて“悪い子”に育てると、かえって“いい子”になる」——AI開発の新しいアプローチとは?
最近のAI、特にChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)は、ときに「おべっかを使いすぎる」「攻撃的になる」といった問題行動を起こすことがあります。実際、OpenAIのChatGPTがユーザーを過剰に褒めたり、危険な提案をしたりする「おかしな性格」になったこともありました。 こうした問題に対して、AI開発企業Anthropic(アンソロピック)が新しい研究成果を発表しました。意外なことに、「あえてトレーニング中に“悪い性格”を模倣させる」ことで、最終的にはその性格を持たなくなるというのです。 研究のリーダー、ジャック・リンジー氏はこう言います。「モデルが“悪い性格”をあらかじめ持っている状態で学習を始めると、その性格をわざわざ学ぶ必要がなくなるのです」と。 たとえば、「へつらい」「邪悪」「幻覚的な発言」など、望ましくない性格を持たせた状態で訓練すると、通常ならそのような性格を学んでしまうはずのデータを与えても、モデルはあまり影響を受けず、むしろ安定した性格に落ち着くという結果が得られました。 これは、学習後に無理やり悪い性格を抑える「ステアリ

Takumi Zamami
2025年8月11日読了時間: 2分


AIの“心地よすぎる”回答にご用心
最近、ChatGPTが「褒めすぎる」「同調しすぎる」といった“ゴマすり”的な反応をするようになり、それが問題視されました。OpenAIは4月、この問題を受けてアップデートを一部取り下げました。 というのも、AIがなんでもユーザーに同意するようになると、誤った考えを強化したり、ミスリードを招いたりする危険があるからです。特に若い世代がAIを相談相手として頼るようになると、なおさら深刻です。 そこで、スタンフォード大学などの研究チームは「AIのゴマすり度」を測る新たな指標「Elephant」を開発しました。これにより、AIがどれくらいユーザーに迎合しているのかがわかるようになります。 例えば、「職場の同僚が困った人なんだけど…」と質問されたとき、AIはその前提をそのまま受け入れてしまう傾向があります。「本当にその人が困った人なのか?」とは問い返しません。これは“社会的ゴマすり”と言われるもので、感情に寄り添いすぎたり、道徳的に賛同したりといった形で現れます。 実際に8つのAIモデル(OpenAI、Google、Anthropicなど)を調べたところ、

Takumi Zamami
2025年6月19日読了時間: 2分


最重要“顧客”がAIになる時代
皆さん、いまや企業は「人間」だけでなく、「AI」にも好かれなければならない時代に突入しています。 たとえば、ある簡単で美味しい自家製冷凍弁当を教えるサービスが、広告に「小ねぎのみじん切り」を載せただけで、ChatGPTから「面倒そう」と評価されてしまったというのです。AIが「誰もそんなめんどくさい作業をしたくない」と判断したんですね。 これはBrandtech Group傘下のJellyFish社でAI・戦略・インサイト部門のチーフソリューションオフィサーを務めるジャック・スミス氏が紹介した実話です。 彼は企業がAIからどう見られているかを調査・改善する仕事をしています。実際、ボストン・コンサルティング・グループの調査では、28%の人がAIの推薦で商品を選んでいるとのこと。将来的にはAIが自動で買い物までしてくれるようになるかもしれません。そうなると「AIに良く思われる」ことがブランド戦略で非常に重要になります。 スミスさんの会社では「Share of Model」というツールを開発。ChatGPTやMetaのLlamaなど、異なるAIに自社ブラ

Takumi Zamami
2025年5月26日読了時間: 2分


中国メーカーがTikTokでバズる理由
トランプ関税への反発と、米国消費者への“直接訴求”という新戦略 今回は、最近TikTokで話題になっている中国の工場の動画について取り上げたいと思います。 ある若い中国人男性が、伝統的なお茶セットの前に座り、英語で語りかけます。 「ラグジュアリーブランドの最大の秘密を暴露しましょう」 彼は、あの高級ブランド・エルメスの「バーキンバッグ」に似たバッグを手に取り、「これらのバッグは、私たちの工場で作られたものです」と主張します。 「でもブランドは“Made in China”の表記を消し、職人の名前も出さない。私たちはわずかな報酬しか得られないのに、彼らは何百万ドルも稼いでいる。それって不公平だと思いませんか?」 彼は動画の最後にこう訴えます。「ブランドではなく、工場から直接買ってください」 なぜ今、TikTokなのか? こうした動画は今、中国の工場を中心に次々と投稿され、大きな話題になっています。内容は、バッグや香水、家電製品などの原価を暴露しながら、「高級ブランドと同じ素材、同じ工場で作っている」と語るものです。 中には「ルルレモンのレギンスは、

Takumi Zamami
2025年4月30日読了時間: 4分


マーク・ザッカーバーグとメディアの力
マーク・ザッカーバーグは今年1月7日に、「More Speech and Fewer Mistakes」というタイトルでブログと動画を公開した。彼は、「I started building social media to give people a voice(私は人々に声を与えるためにソーシャルメディアをつくった)」と語り、アメリカにおけるMetaの事実確認システムの終了、「発言の制限」の撤廃について述べるとともに、今後はよりパーソナライズされた政治的なコンテンツをフィードに表示させる方針にあると発表したのである。 しかし、事実確認の終了に関して注目が集まる一方、憎悪表現に対するポリシー変更にも重要な点があった。Metaは今後、トランスジェンダーの人々を「it」と呼ぶことや、女性を財産扱いすること、同性愛を精神疾患だと主張することを許容する方針を打ち出したのである。この変化は、特にLGBTQ従業員から強い反発を受けた。また、より個別化された政治的コンテンツの表示が強調され、これにより政治的な極端化が再燃することも懸念されている。...

Takumi Zamami
2025年1月14日読了時間: 3分


【2025年版】10の画期的なテクノロジー
MIT Technology Reviewが、今後数十年に渡り私たちの世界に大きな影響を与えると予想する、10の画期的なテクノロジーの2025年版。 ヴェラ・C・ルービン天文台 今年、チリの人里離れた地域に新しい強力な望遠鏡が稼働を開始します。この望遠鏡は、南半球の空を10年間にわたって調査する予定で、内部には天文学史上最大のデジタルカメラが搭載されており、これが数年間にわたって絶え間なく写真を撮影します。それら調査は、ダークマター(暗黒物質)の研究、銀河系である天の川の探査、さらには宇宙のその他の謎の解明を目的としています。 生成型AI検索 生成型検索は、求めている情報を簡単かつ迅速に見つけることを可能にします。例えば、検索したい内容を入力すると、AIモデルがインターネット上のさまざまな情報源から要点をまとめ、独自の答えを返してくれます。さらに、個々のデバイス上では、文書や写真、動画を調べ、物体や人物を認識して、目的の情報をより速く見つける手助けをしてくれます。この技術が普及すれば、従来の検索エンジンは役目を終え、個人AIアシスタントの時代が到

Takumi Zamami
2025年1月14日読了時間: 4分
bottom of page