ようこそ、ロボットの街・オーデンセへ
- Takumi Zamami
- 3月18日
- 読了時間: 2分
更新日:4 日前

みなさんはデンマークにあるオーデンセという町をご存じでしょうか。
今回は、協働ロボットで注目を集めるデンマークの小都市・オーデンセについてお話ししたいと思います。
この街は、11世紀に最後のヴァイキング王が命を落とした場所であり、また童話作家アンデルセンの故郷として有名です。しかし最近では、別の顔を持つ街として世界の注目を集めています。それは、ロボットの街という顔です。
人口約21万人のオーデンセには、現在150を超えるロボット企業が集まっています。特に有名なのが、人と一緒に働くことができる「協働ロボット」(コボット)です。このロボット産業は街の誇りとなっているそうです。
では、なぜ、歴史と文化の街がロボット都市になったのでしょうか?
実は、オーデンセのロボット産業の原点は、かつて盛んだった造船業にあります。
1980年代、この街のリン島造船所は、アジアとの競争に苦しんでいました。そこで南デンマーク大学と協力し、ロボットを使って造船の効率化を図ったのです。その結果、「ユニバーサルロボット」という、世界的に成功したロボット企業が誕生しました。この会社は2015年、アメリカの大企業テラダイン社に2億8500万ドルで買収され、オーデンセが世界的なロボット都市となるきっかけをつくりました。
さらに、ユニバーサルロボット出身の技術者たちが新たな企業を次々に立ち上げ、ロボット産業の輪が広がっていきました。街の規模は大きくありませんが、それが逆に強みになっています。小さいからこそ、企業や大学、行政が密接に協力しやすい環境が整っているのです。
もちろん、課題もあります。資金調達や人材の確保はまだ難しい面があり、特に女性技術者の少なさは深刻です。ただ、最近は街のブランド力が高まり、海外からも人材が集まり始めています。
かつて造船の街として栄えたオーデンセは、今では巨大な風力タービンをロボットで組み立てるなど、次世代のロボット技術を世界に発信しています。まさに、歴史ある街が最先端の技術都市へと生まれ変わったわけですね。
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