次世代AI半導体の覇権を握る「ガラス基板」:2036年に44億ドル市場へ
- Takumi Zamami

- 4 日前
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半導体パッケージングの歴史が、数千年の歴史を持つ「ガラス」によって塗り替えられようとしています。生成AIの爆発的な普及に伴い、データセンターで稼働するハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)用チップには、かつてないほどの処理能力と電力効率が求められています。しかし、1990年代から主流であった従来の樹脂製基板は、チップが発生させる激しい熱による「反り(ワーパッジ)」や物理的な微細化の限界に直面しており、業界全体が「機械的な壁」に突き当たっていました。
この課題を打破するゲームチェンジャーとして期待されているのが、韓国のAbsolicsや米インテルが主導するガラス基板技術です。ガラスは樹脂に比べて熱安定性が極めて高く、極薄でありながら強固な土台となります。インテルの研究によれば、ガラス基板を採用することで接続密度を従来の10倍に高めることが可能となり、同一面積により多くのシリコンチップを統合できるため、演算能力を飛躍的に向上させることができます。また、表面が極めて平滑であるため製造欠陥を劇的に抑えられるほか、将来的にはガラスの特性を活かして光信号を通す「光回路」を基板内に組み込むなど、さらなる超低消費電力化への道も開かれています。
市場の期待値は数字にも顕著に表れています。調査会社IDTechExの予測によれば、半導体向けガラス基板の市場規模は、2025年の10億ドル(約1,500億円)から、2036年には44億ドル(約6,600億円)へと急拡大する見通しです。この巨大な商機を掴むべく、Absolicsは米国ジョージア州に専用工場を建設し、政府から計1億7,500万ドルの助成金を受けつつ、年間にNvidia H100換算で最大300万個分のパネル生産を目指しています。
これに追随するように、サムスン電子やLGイノテックといった韓国勢、さらには中国企業も投資を加速させており、サプライチェーン全体を巻き込んだ「ガラスへの転換」が加速しています。当初は高コストなデータセンター向けから導入されますが、量産効果によるコストダウンが進めば、将来的に私たちの身近なノートPCやモバイルデバイスの性能を根本から底上げする可能性を秘めています。
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