AIは人間の数学者に追いつけるのか?
- Takumi Zamami
- 6月26日
- 読了時間: 2分

今回は「AIは人間の数学者に追いつけるのか?」という最先端の話題をご紹介します。
最近、AI、特にChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)が高校レベルの数学を驚くほど解けるようになってきました。これが専門家の間でも話題になっていて、「じゃあ、AIは研究レベルの数学までできるようになるのか?」という疑問が出てきているんです。
アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は、数学の進歩をもっと加速させるために「expMath(エクスプマス)」という新しいプロジェクトを始めました。目指しているのは、“AIが数学者の共同著者になる”という未来。つまり、難解な問題をAIが小さく分解して人間と一緒に解決する、そんな世界です。
実際に、Google DeepMindが開発した「AlphaEvolve」というAIは、これまで人間が解けなかった50以上の数学パズルを解決し、驚きの成果を出しています。ただし、こうしたAIが得意なのは、パターンや「コツ」がある問題。たとえば、数学オリンピックのようなものです。これは人間でも訓練すればできるので、AIにもできるのは当然かもしれません。
しかし、数学の真の難問――たとえば「リーマン予想」や「P≠NP問題」といった世界的な未解決問題――には、AIはまだ歯が立ちません。こうした問題は、数千、数百万ステップに及ぶ長い「証明の道のり」を必要とし、その道筋が全く見えていないのです。
ある研究者は、AIに“長い道のり”を歩かせるための「巨大な一歩(スーパー・ムーブ)」を考案しました。その結果、60年近く誤解されていた有名な問題の「間違った解法」をAIが見抜くことに成功しました。つまり、AIは「この道は行き止まりだよ」と教えてくれる“偵察隊”のような役割を果たしつつあります。
とはいえ、数学で大事なのは「ひらめき」です。人間がある日突然、「あれ? これって面白いかも」と気づいて、新しい理論が生まれる。そのきっかけになるような“創造的直感”は、AIにはまだ備わっていません。
今のAIは、あくまで「ルールのあるゲームなら人間を超える」段階。けれど「新しいゲームそのものを発明する」――これこそが数学の本質であり、まだ人間の領域なんですね。
つまり、AIは今、数学の“便利な道具”として活躍し始めていますが、“天才数学者”には、まだまだ及びません。ですが、それも「今のところは」です。
これからどうなるか?
引き続き見守っていく必要がありそうですね。
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