現代の若者たちは、気候変動にとどまらず、感染症の流行、地政学的紛争、インフレーション、AIによる雇用不安など、複数の危機が複雑に絡み合う「ポリクライシス(polycrisis:複合的危機)」の時代を生きており、これが彼らの精神的健康に深刻な影響を及ぼしている。2021年に医学誌『The Lancet Planetary Health』が発表した調査によれば、10カ国の若者の約60%が気候変動に極度の不安を抱き、過半数が人類の破滅を危惧していることが明らかになった。このような「エコ不安」や「ポリクライシス症候群」に対処し、若者たちの孤立を防ぐためのサポートネットワークが現在国際的に台頭している。
注目を集める具体的な取り組みとして、英国を拠点とする「Force of Nature」や、米国の非営利団体による「Good Grief Network(GGN-Z)」などが挙げられる。これらの組織は、若者たちが世界情勢に対する実存的な恐怖や悲嘆を共有できるオンラインおよび対面の場を提供している。プログラムの特徴は、若者の不安を病的なものではなく、危機的な状況にある世界に対する合理的な反応として肯定する点にある。その上で、常に完璧な環境保護を実践しようとするプレッシャーから彼らを解放し、自身の感情をコントロールしながら、身の回りで実行可能な小さな行動へと意識を向けさせるアプローチを採用している。
一方で、心理学者や研究者からは、これらの介入プログラムに対する科学的な効果測定の欠如が課題として強く指摘されている。既存の支援プログラムの多くは公式な自己評価や客観的なデータ収集を行っておらず、「何が誰に対して効果的か」を実証できていないのが現状である。この課題に対応するため、支援組織は現在、複数年にわたる調査プロジェクトに参画し、参加者の幸福度向上や感情管理スキルの獲得に関する証拠構築とプログラムの定量的な評価に乗り出している。
若者たちが不確実な未来において希望を見出し、レジリエンス(回復力)を構築するための有効な手段として専門家が推奨しているのが、人類の歴史的な成功体験に学ぶことである。オゾン層の修復を可能にした国際的な条約や、過去の市民権運動など、かつて人類が直面した深刻な危機を乗り越え、世界をより良い方向へ変革してきた事実をプログラムに組み込むことが、現代の複合的危機に立ち向かう若者たちの精神的な支柱になると結論づけられている。
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Support networks aim to help kids through the polycrisis






