インドのウェアラブル市場で急成長を遂げるスマートグラスが、深刻なプライバシー侵害問題を引き起こしている。現在市場を牽引するMetaに加え、同国通信大手のReliance Jioも安価な競合製品の投入を予定しており、普及はさらに加速する見通しだ。しかし、一見してカメラとは分からないデバイスの特性が悪用され、無断撮影によるサイバーストーカーやネット上の誹謗中傷などの被害が急増している。
実際に、トランスジェンダーの当事者が抗議デモの場でMeta製スマートグラスによって同意なく撮影され、その動画がSNS上で拡散して深刻な被害を受けた事例も発生している。Meta側は、録画時に点灯するLEDライトの存在やユーザー自身のモラルを安全策として主張し、企業としての責任を否定する姿勢をとっている。しかし、ライトを物理的に隠したり無効化したりする手法はすでに広く出回っており、企業側の安全策は機能していないのが実態である。加えて、インドの現行法は公衆の場での密かな撮影に対する保護が限定的であり、SNSプラットフォーム側の動画削除対応も最長36時間かかるなど、法と制度が新たなテクノロジーの脅威に追いついていない。
さらに事態の解決を困難にしているのは、当局自身がスマートグラスを監視ツールとして活用している点である。デリー警察は学生デモの監視にMeta製AIグラスを導入し、デモ参加者を長期間にわたり無断で撮影した。裁判所もこのプライバシー侵害に対する学生側の訴えを退けており、法執行機関が技術を利用している現状では、国による厳格な取り締まりは期待できない。
開発中の次期モデルでは、録画インジケーターを起動させずに周囲を常時記録・解釈するAI機能の搭載も報じられている。法整備や社会の適応がテクノロジーの進化に追いつかないまま、同意なき監視とデータ収集が日常化していくリスクに対して、専門家や被害者は強い警鐘を鳴らしている。
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Smart glasses are already causing havoc in India






